『おんな城主 直虎』脚本の森下佳子「最終回のために今までの回があったと言ってもいい」
大河ドラマ「おんな城主 直虎」特別インタビュー
女城主の長い戦いが終わろうとしている。決して資料が豊富とは言えない井伊直虎の生涯を物語として見事に描ききった現在の心境や、1年を締めくくる最終回への展望を脚本家の森下佳子が語った。
ーー最終話の脚本を書き終えて、率直な感想はいかがでしょう。
「大変でしたけど、終わってみればすごく楽しかった。でも白髪は増えたかな(笑)。難しかったのは(史実が)点しかないので、点と点の間に何があったのだろうと想像することでした」
ーー森下流の史実と史実の行間を読み解くセンスが見事と評判でした。
「物語の四分の三は井伊谷のお話です。そこで起こりうるとしたら何が起こるのだろうってところから考えていくことが多かったです。井伊谷は海がなく、貿易はできないだろう。そして、近くに気賀という町があって、そこはどうも湖を使って船で行き来した形跡がある。瀬戸方久という人が城主をやっていたという話もある。そこを物語として繋げられないかなと。痕跡を拾って、井伊谷で起こりうることにフィードバックしていくという形でした。あとは直虎がお坊さんだったということも重要な手がかりでした。城主とはいえ僧侶の世界にいた人からはどのように見えて、どう考えて立ち向かったのだろうって想像して、話を合体させていく感じでした」
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